沖縄の学力が低い理由を考察してみました。

国学力テスト最下位の沖縄は、上位と下位の差が最も大きい県です。正答率が高い県はいずれもその差が小さい。学力向上を図るには底上げが必要です。国の教育改革は英国や米国をモデルにしており、競争率を高め、上と下の差を拡大させるのが特徴です。県民所得が最も低い沖縄で「家計も学力も厳しく、行き場がない」という若者像は、遠い世界の話ではない。

国学力テストや達成度テストが実施され、小学生や中学生は居残り学習を取り組んだ。しかし、ドリル学習の偏重、休み時間や放課後まで使った「詰め込み」が生徒・児童達の勉強嫌いを増やした。勉強は苦しくてつらくて、楽しくないという固定概念を植え付け、それが学びだと思い込み、学習意欲をなくす子供が多くなった。平均点を上げることが目的化し、点数競争や序列化への警戒が強まっているが、テストの目的は子供の学力の実態を把握し、最低限の学力の保障につなげることであり、結果を分析し、授業改善に取り組んでこそ、テストが生きるのではないかと思う。

全国に比べ、正答率が低い理解力や読解力を向上させるにはカリキュラムの工夫に加え、児童・生徒の探求するための長期的な視点も必要不可決であり、沖縄県教育委員会は学校現場との連携を踏まえた対応をすべきだと思う。一方で、人材育成の観点から県を挙げた取り組みも重要で、秋田県は30人以下の少人数学級編成をいち早く取り入れるなどをして全国学力テストで6教科1位になった。沖縄県も仲井間弘多知事の公約で少人数学級を小学校1年生の学校の約7割で実施しているが、十分とは言えない結果になった。少人数学級のメリットを調査、検証した上で、人員配置も含め、少人数学級の配置の拡大に向けた財政措置を含めた支援態勢の強化も必要である。学校や教育行政の具体的な対策に加え、日常的な親子の触れ合い、家庭学習の充実、地域とのかかわりなど幅広い取り組みが学力向上につながると考えた。